クイックステップとは?
社交ダンスの中でも、スタンダード種目は優雅なイメージがあります。しかし、スタンダード種目すべてがゆったりとした動きとは限りません。なかにはフロア上を走りまわる種目も存在するのです。それがクイックステップです。
クイックステップの歴史
1920年代にチャールストンという曲のブームに合わせて、フォックストロットを早いリズムで演奏したのが始まりと言われています。当初はワンステップと呼ばれていましたが、後にクイックステップと名称を変更しました。
クイックステップってどんな踊り?
スタンダード種目の一つで、クイックもしくはクイックステップと呼ばれています。リズムは4拍子で1拍目と2拍目にアクセントがあります。ただし、1拍目の方がアクセントが強いです。競技ダンスでは最後に踊ることが多いです。
クイックステップはその名の通り、軽快で素早いダンスです。飛んだり跳ねたりというイメージをもつ人が多いようです。他の種目には見られない、跳ぶという動きがあるのが特徴です。しかし、すべてが飛んだり跳ねたりというわけではなく、スイングダンスの要素も含んでいるので、滑らかに踊ることも重要になります。素早いワルツと言ったイメージでしょう。
動きが早い分、ワルツのように上下に深く動いている時間が無いので、上下動(ライズ&フォール、ライズ&ロアー)は浅めになっています。
曲は、別途説明するジルバという種目と同じ曲をつかうことが多く、パーティーなどでは同じフロア(会場)でジルバとクイックステップが混在しながら踊るという光景を良く目にします。
スタンダード種目の中でも苦手とする方が多くいます。これは「クイックステップは速い」という先入観から来るもののようです。実際踊ってみると、さほど速くないという印象をもつ方もいます。まずは先入観を捨てて挑戦してみることをお勧めします。
カウント(タイミング)の取り方はS(スロー)やQ(クイック)などを使います。1小節4拍なので、「1234、1234、、、」と数えていきますが、クイックステップの場合は主に、「SQQ」などと数えます。読み方は「スロー、クイック、クイック」などと読みます。S(スロー)は2拍、Q(クイック)は1拍です。例えば、「SQQ」は2拍+1拍+1拍=1小節になるわけです。他にも半拍(0.5拍)をあらわす&(アンド)というカウントもあります。
実際に見てみよう
では、実際にクイックステップがどのような踊りなのか見てみましょう。
まずこちらの動画をご覧ください。とあるサークルのクイックステップの紹介動画です。
クイックステップの基本的で簡単なステップを解説してくれています。クイックステップの基本的なリズムの取り方についても触れてくれています。動画に合わせてステップ名やリズムが明記されていて非常にわかりやすいです。
では、すごく上手な人たちがクイックステップを踊るとどのようになるのでしょうか?次は、元世界ファイナリストのウイリアム・ピノ&アレッサンドラ・ブッキャレーリ組( William Pino & Alessandra Bucciarelli)のクイックステップのデモンストレーションをご覧ください。
気持ちいいほど軽快ですね!!さすがファイナリスト。クイックステップの軽快さと滑らかさ、そしてキレの良さが引き立ちます。彼らは外国人選手では非常に珍しい、非常に小柄なカップルです。でも、小さいことを全く感じさせない動きをしますよね。躍動感が素晴らしいイタリアのカップルです。
では次に、競技会の様子をご覧ください。これは2011年に大阪で行われた日本のプロA級の試合の様子です。
競技会は複数人で同時に踊り競い合います。軽快なクイックステップの特徴であるスピード感が素晴らしいですね。あっという間に目の前を通り過ぎてしまいます。それでいて優雅さが漂うのが素晴らしいダンサーの特徴です。
いかがでしょうか?クイックステップの雰囲気をつかんでいただけましたか?
参考までに、こちらがチャールストンの動画です。実際にこのステップを取り入れて踊ることもあるんですよ!
フットワークが非常に軽いですね。始めてこのステップを踊ってみた時は、足元がめちゃくちゃだった覚えがあります。そう考えるとすごい人たちです。