タンゴとは?

社交ダンスに様々な種目が存在します。そのひとつタンゴとは一体どんな踊りなのでしょうか?

タンゴの歴史

タンゴとはもともと音楽のジャンルのひとつで、19世紀半ばにハバネラなどの複数の音楽が混ざり合ってブエノスアイレスやモンテビデオ周辺で生まれました。それがヨーロッパに渡って変化したものをコンティネンタルタンゴと呼び、従来のものをアルゼンチンタンゴと呼びました。日本に伝わったのは主にコンティネンタルタンゴで、社交ダンスを踊るための舞踊音楽として伝わりました。

タンゴってどんな踊り?

スタンダード種目の一つで、タンゴもしくはコンティネンタルタンゴと呼びます。ダンスのジャンルでいうと、社交ダンスのタンゴとアルゼンチンタンゴとは別の踊りになります。リズムは4拍子で1拍目と3拍目に強いアクセント、スタッカートがあります。競技ダンスでは主に2種目目で踊ることが多く、アクセントの非常に強い力強い踊りです。1種目目で踊られるワルツの優雅さと2種目目のタンゴの力強さの対比を表現することになります。スタンダード種目では、ワルツの次に習うことが多いようです。

社交ダンスにおいてタンゴは2種類の踊り方があるようです。イングリッシュスタイルイタリアンスタイルです。イングリッシュスタイルのタンゴは、古くから伝わるイギリススタイルのタンゴで、力強い中にも優雅さや柔らかさが含まれています。これに対し、イタリアンスタイルのタンゴは力強さにより一層磨きをかけた踊り方です。スタッカートが際立って強い印象です。

カウント(タイミング)の取り方はS(スロー)やQ(クイック)などを使います。1小節4拍なので、「1234、1234、、、」と数えるのが一般的ですが、以前は「1&2&、1&2&、、、」のように数えていたそうです。しかし、いずれにせよタンゴの場合は主に「SQQ」などと数えることになります。読み方は「スロー、クイック、クイック」などと読みます。S(スロー)は2拍、Q(クイック)は1拍です。例えば、「SQQ」は2拍+1拍+1拍=1小節になるわけです。他にも半拍(0.5拍)をあらわす&(アンド)というカウントもあります。

タンゴは他のスタンダード4種目(ワルツ・スローフォックストロット・クイックステップ・べニーズワルツ)と異なり、ホールドと呼ばれる両腕の組み方が異なります。他の4種目は男性の右の二の腕の上に女性の左手を乗せるように組むのに対し、タンゴの場合は、男性の二の腕の後ろに女性の左腕を回りこませるように組みます。タンゴの激しい動きに対応できるように、腕の組み方を深くして対応しているのです。

実際に見てみよう

では、実際にタンゴがどのような踊りなのか見てみましょう。

まずこちらの動画は、とあるサークルのタンゴの紹介動画です。

タンゴの基本的で簡単なステップを解説してくれています。タンゴのリズムの取り方についても触れてくれています。動画に合わせてステップ名やリズムが明記されていて、非常にわかりやすいです。

では、すごく上手な人たちがタンゴを踊るとどのようになるのでしょうか?次は、元世界チャンピオンの ミルコ・ゴッゾーリ&アレッシア・ベッティ組(Mirko Gozzoli & Alessia Betti)のワルツのデモンストレーションをご覧ください。

感動しますね!!タンゴらしさ、タンゴの力強さが画面を通してでも伝わってきます。このカップルの魅力は力強さにありますね。先程ご説明したイタリアンスタイルのダンスですね。

では、イタリアンスタイルと対極にあるイングリッシュスタイルのタンゴをご覧に入れましょう。

アンドリュー・シンキンソン&シャルロッテ・ヨルゲンセン組(Andrew Sinkinson & Charlotte Jorgensen)のタンゴでした。彼らは典型的なイングリッシュスタイルのダンサーです。柔らかくどこまでも自然でなおかつ力強い。先程のカップルと違い、彼らは引退して相当な時間が経っています。はたから見ればただのハゲて太ったおじさんですが、その踊りは感動的です。私は今まで数えきれないほどのタンゴを見てきましたが、このカップルのタンゴが一番素晴らしいと思います。タンゴって、こういう踊りを指すんだなぁと改めて思い知らされますね。

では次に、競技会の様子をご覧ください。これは2011年に大阪で行われた日本のプロA級の試合の様子です。

競技会は複数人で同時に踊り競い合います。一組だけで踊るデモンストレーションとまた雰囲気が異なります。メリハリがちゃんと付いていて甲乙つけがたいですね。周りの応援の方々も、ひいきの先生に声援を送っています。

いかがでしょうか?タンゴの雰囲気はつかんでいただけましたか?

参考までに、こちらがアルゼンチンタンゴの動画です。今までご覧になってきた社交ダンスのタンゴとはまた違った雰囲気がありますね。

こちらの動画、詳細は不明ですがタンゴの情熱は社交ダンスもアルゼンチンタンゴも同じ情熱を感じます。