どんな道具を用意すればいいの?

社交ダンスって、何も必要なさそうだけど・・・と思っている方も多いかもしれませんが、実は必要な物って結構多いんです。では、どのような物を準備すればよいのでしょうか?

シューズ

正直、これがないとお話になりません。ダンス用のシューズをご準備されることを強くおすすめします。

シューズには主にラテン用とスタンダード用に大別されます。ラテン用は男女ともにつま先までしっかり伸びるようにできているのに対し、スタンダード用は足の裏全体で床をとらえられるように少しソールが固めにできています。ほかにも運動靴のような履き心地と、ダンス用の裏地を兼ね備えた社交ダンス専用のトレーニングシューズや、女性用ですが、ヒールの低い練習用シューズがあります。ほかにも、先生用にレッスンシューズというものもあります。一日中シューズを履いているので、蒸れないように表面にたくさんの穴が開いている加工になっています。また、女性のつま先は少しゆったりとして、疲れにくい構造になっています。

社交ダンス用の靴の裏はフェルトのような生地になっています。これにより、フロアに対し適度に滑るようにできているのです。運動靴のような素材では滑らなすぎるために足首をひねってしまうことがあるので注意が必要です。

靴裏が滑りやすかったりしたら、靴用のワイヤーブラシで表面の汚れを取ったり、毛羽立たせることで摩擦力を調節します。

ちなみにシューズは消耗品と考えてください。しばらく使っていると、靴の裏が滑りやすくなるので、あまりに滑るようでしたら買い替えが必要です。人によっては3か月で新しいものと買い替える人もいます。世界チャンピオンクラスになると、大会で一つの予選を踊るたびに新しいものと変える人がいるほどです。

ダンスはまず足元からです。シューズはご自分に合ったものを探していくようにしましょう。

金額は15,000円程度が相場でしょう。

ヒールカバー

女性のシューズにはヒールがあります。これは、プラスチックでできている場合が多いのです。このままの状態でしばらく使っていると、ヒールが削れ、中のクギが出てきてしまい、フロアを傷つけてしまうことがあります。また、クギが出ていなくても足の使い方が悪いと、同じくフロアを傷つけることになるのです。なので、ヒールカバーは必須です。ヒールカバーをつけていないシューズを禁止しているダンス教室や競技会場、練習会場も多々あります。女性は必ずつけるようにしましょう。

ヒールカバーにはサイズがあります。自分のシューズのサイズに合ったヒールカバーを選びましょう。

また、ヒールカバーには2種類あります。ヒトデ型のオーソドックスなヒールカバーと、ヒールキャップというものが存在します。

オーソドックスなヒールカバーは、一組100円前後と、非常に安価に手に入れられます。セロテープなどでヒールに巻きつけて使います。

一方、ヒールキャップというのはボールペンのキャップのようにヒールにはめ込んで使います。こちらのほうが多少ヒールが高くなるのが特徴ですが、一組700円程度と多少高価なのがポイントです。

シューズバンド

女性用のラテン用シューズは、足首をベルトで固定するようなタイプが主流なので、脱げる心配はほとんどありませんが、女性用のスタンダードのシューズは足首を固定するバンドが標準でついていないのが主流です。このため、慣れないと脱げやすかったりします。そこでシューズバンドの出番です。女性用スタンダードのシューズを履いた上から足の甲と土踏まずを巻きつけるように固定します。これで脱げる心配はほとんどなくなります。

衣装

衣装はピンからキリまであります。練習用と大会用は違います。時と場合に合わせて準備する必要があります。詳細は別の記事を参考にしてください。

滑り止め

ダンスはシューズの調子で踊りが変わってしまうほど繊細なものです。フロアとシューズの相性は非常に大切になってきます。どうしても滑ってしまう場合は、シューズ用の滑り止めを利用します。市販のダンス用滑り止めはたくさん売っていますが、ダンスに非常に慣れた人だけが知っている滑り止めがあります。それは「ひまし油」です。

ひまし油とは、昔からある下剤のことです。薬局で売っています。これを涙粒の大きさ2滴ほど垂らして靴の裏に刷り込むと、すごい滑り止めの効果を発揮します。

ただし、取扱いには注意が必要です。靴の裏同士をこすり合わせてなじませるのが王道です。床に垂らして靴に擦り付けると、床がべとべとになり、大迷惑になります。また、つけすぎた状態で踊ると、床がベトついて、ほかの人の迷惑になります。あなたの通ったところだけ滑らなくなるので、急に突っかかったりしてしまいます。こういったトラブルを避けるため、滑り止めの使用を禁止している練習場やダンス教室、はたまたイベント会場が大多数です。そのため世間的にはあまり普及していない方法ですが、効果絶大なため、他の人に迷惑にならないようにこっそりと利用するようにしましょう。プロは隠れてこの方法をとってる人が非常に多いのです。マナーを守って心地よい利用を心がけましょう。

シューズブラシ

滑り止めの王道です。シューズの裏のよごれをとったり、毛羽立たせることで摩擦力を生みます。薬剤をつけて滑り止めにするわけではないので、他人に迷惑が掛からずよい方法ですが、古い靴ではあまり効果が見られなくなります。削るほど底面の起毛がなくなってしまっているからです。この方法では、削ったごみが出るので、ごみ箱の上で削るようにしましょう。

安全ピン(競技会)

競技会やデモンストレーションに出たりするひとには意外と重宝します。背番号をつけるのは安全ピンです。もちろん必要数はもらえるのですが、万が一紛失した時のために準備しておくとよいでしょう。また、ドレスが万が一破れたりしたときの応急処置としても利用できます。また、ドレスやダンスパンツの裾を一時的にたくし上げたりするときにも利用できます。

意外と利用頻度が高いので、余分に準備しておきましょう。

タンニングローション&ボディーファンデーション(競技会前)

ラテンアメリカンを踊るとき、多少露出の高い衣装を着ます。真っ白な肌よりは健康的に日焼けした肌のほうがより美しいとされています。そのため、意図的に日焼けをしたり、日焼けサロンに通うひともいます。ただ、あまり焼きたくないというひともいるでしょう。そこでタンニングローションの出番です。これを塗ると、1日から2日で茶色く発色します。ファンデーションとは異なり、ドレスに付く心配もほとんどないため、衣装の汚れを防げます。ただし、均一に塗らないとムラになって汚くなってしまうので要注意です。石鹸などではなかなか落ちません。1~2週間ほどで自然にとれていきます。

私が愛用しているのは、ボディー用ファンデーションです。ファンデーションなので塗ってすぐ発色します。また、汗に強いので落ちにくくできています。ラメも入っているのでキラキラとして非常に美しい仕上がりです。ただし、あくまでもファンデーションなので、多少衣装に付着することがあるので要注意です。ちなみに、石鹸等ですぐに落ちます。

折り畳み式ハンガーラック(競技会)

 競技会場の選手控室は非常に混雑します。各カップルに対し、畳一畳程度の非常に狭いスペースしか与えられないほどの環境です。そんな場所では衣装を広げることすらままなりません。そんなときに非常に効果を発揮するのが折り畳み式ハンガーラックです。

これは、ビデオカメラの三脚のようなもので、折りたたんで持ち運べる便利なハンガーラックです。これを使用することによって、狭い場所でも衣装を準備することができます。

金額は10,000円前後です。私も利用しています。競技会場では今や必需品でしょう。

レジャーシート(競技会)

様々な場所が競技会場になりますが、多くの場合、土足で行動できる場所が控室になるケースが多いのです。直接地面に荷物を広げたり休憩スペースを作るのは、服や荷物が汚れてしまいます。そこで必要になるのがレジャーシートです。レジャーシートを広げることによって、場所取りの効果も発揮します。

ただし、大きなスペースを独り占めすると他の人に迷惑になりますので注意が必要です。節度を持ったスペース確保をしましょう。

レジャーシートは、クッション性や保温性の高い、少し厚手のものを選ぶことをおすすめします。直接腰を下ろすことになるので、薄いものだとお尻が痛くなります。さらに冷えにもつながりますので、注意が必要です。ただし、クッション性の高い厚手のものは、その分邪魔になるので、荷物の容量と相談の上、丁度良いものを選ぶとよいでしょう。

折り畳み式の椅子(競技会)

レジャー用の折り畳み式の小さな椅子があると、競技会場では便利です。地面に直接腰をおろすよりも疲れは格段に少ないでしょう。特に足腰が悪い人には非常に重宝するでしょう。

ただし、荷物になるのが難点です。競技会では荷物が非常に多くなります。荷物だけでも疲れの原因になるので、できるだけ不要なものは持っていかないほうがよいと思います。折り畳み式の椅子は迷うところですね。ちなみに私は重いので持っていきません。

防寒着(競技会)

個人的には必須アイテムだと思います。競技会場の控室は大人数を収容するため広いスペースであることが多いのです。夏場でも涼しかったり、冬では凍りつくほど寒い場合もあります。踊り終わって汗だくになって待機するのがそんな場所ではすぐに体調を崩してしまいます。

そこで防寒着が必須になるわけです。夏場でも念のため必要でしょう。

できれば、そのまま準備運動ができるようなジャージのようなタイプがベストだと思います。準備運動用の服と防寒着を別に用意すると、荷物がかさばりますからね。

スリッパ(競技会)

競技会ではずっと踊っているわけではありません。待っている時間も非常に長いのです。そこで、スリッパの持参をおすすめします。

たとえばトイレに行ったり、ちょっと会場の様子をチェックしたりするときにいちいち靴を履くのは非常に煩雑です。かといって、ダンスシューズで活動するのはおすすめできません。ダンスフロア以外でシューズをはくと、靴の裏が汚れ、よいコンディションを保つことができなくなることもあります。シューズを長持ちさせるためにも極力踊るとき以外は履かないようにしたいものです。

そういった意味でもスリッパは持参したほうがよいでしょう。おすすめは折り畳み式のコンパクトなスリッパです。極力荷物は避けましょう。

タオル(競技会)

タオルは何枚か持っていくことをおすすめします。化粧をした状態で汗を拭くと、ファンデーションやドーランがついてしまいます。汚れてもよいタオルを持っていきましょう。また、予選ごとの間隔があく時があります。風邪をひかないように汗はしっかりと拭きとりましょう。

袋(競技会)

競技会場では、選手控室と会場の間が多少離れている場合があります。競技会場では1ラウンドで数曲踊ることになります。一曲一曲の間が非常に短い場合があります。その場合、いちいち控室に戻って水分補給や汗を拭くというのは時間がなくてできない場合があります。そこで、フロアのそばにペットボトルやタオルを持っていくのがよいでしょう。それらを他人のものと混同したり、自分のものを見つけやすくするために袋にまとめて管理するとよいのです。そういった意味で袋は準備しておくとよいでしょう。

また、試合後の汗をかいた服やタオルを他の荷物と一緒にして汚れないように、着終わったものを入れる袋も用意しておくとよいでしょう。

その他、コンビニの袋もいくつかあると便利です。私は主にごみ袋として利用しています。いざという時にあると便利ですよ。

キャスター付きキャリーバック(競技会やデモンストレーション)

競技会やデモンストレーションに出たりすると、衣装を持っていくことになります。これが意外と重かったり、管理が大変だったりするのです。他にもシューズを持っていかなければなりませんし、ジャージ等もあると便利です。なんだかんだで結構な荷物の量になるのです。

それらを持ち上げて運ぶのは結構大変なのです。そこで、キャスター付きのキャリーバックで持ち運ぶことをおすすめします。少し大きめなものを用意しておくと、たくさんのバックを持たずに、一つにまとめられるので便利です。しかも、ある程度高性能のものを選ぶと、運ぶ際に軽くていいです。踊るときのために体力を温存できますよ。

ちなみに私は、RIMOWAの104リットルのキャリーバックを利用しています。通常の旅行の7日から10日分の容量だそうです。カップル2人分の荷物を一つにまとめて運んでしまっています。複数を小分けにして持つよりも、衣装もすべて詰め込んで運んでしまっています。

運ぶ時になる音から、コロコロとかガラガラと呼ばれています。

着替え袋(競技会)

 競技会場では女性がドレスに着替える場所がない場合があります。そこで必須になるのが、着替え袋です。

小学生のころ、プールの時間に教室で着替えませんでしたか?その時に他人に裸を見られないようにするためにかぶったのが、ラップタオルです。タオル記事ではありませんし、大人用のサイズですが、使い方は全く同じです。これで裸を見られることなくドレスに着替えられます。

ちなみに、男性はパンツ一丁になって着替えてしまう場合がほとんどです。あまり恥ずかしがらないのですね。

競技会ではいろんなものが必要

このように、普段の練習ではシューズと練習着、その他小物がいくつかあれば事足りてしまいますが、競技会に出場するとなると、さまざまな準備が必要になるのです。かさばらず、重くならないように、最低限の荷物に抑えるように工夫しましょう。