どこに行ったら踊れるの?
皆さんが「社交ダンスを始めてみよう!!」と思い立ったとき、どこに行けば踊れるのかご存知ですか?社交ダンスを踊る場所はいくつかあります。それぞれ違った特徴がありますのでご紹介しましょう。
社交ダンスはどこで踊れるの?
社交ダンスを踊れる、もしくは習えるところは意外とたくさんあります。
まず思いつくのは社交ダンス教室ではないでしょうか?他には社交ダンスサークルが有名どころです。意外と知られていないのがダンスパブでしょうね。スポーツクラブのプログラムで社交ダンスを取り入れているところもあります。
学生限定ですが、大学の部活動として活動している舞踏研究部(要はダンス部)がある大学もあります。また、小中学校の授業で社交ダンスを取り入れているところもあるようです。
いつでも出来る上記のようなものではなく、時期限定ですが、ダンスパーティーで踊るというのも手ですよね。
ダンスを踊る場所がたくさんあることはご理解いただけましたか?それではそれぞれの特徴を説明していきましょう。
ダンス教室で踊ろう
社交ダンスを踊りたい・習いたいと思った時に、一番最初に思いつくのが社交ダンス教室でしょう。
社交ダンス教室は日本全国各地にあります。しかし、意外と見かけないという方も多いかと思います。社交ダンスは今日現在、お忍びで通う方が結構います。そう言った背景から、人目に付かない奥まったところでひっそりと営業していたり、雑居ビルの上の方でひっそりと営業していることもあります。社交ダンスに少しでも興味のある皆さんは「あっ!こんなところにダンス教室あったんだ。。。」と思う方も多いのではないでしょうか?あなたの街を見渡してください。結構隠れているものですよ。
また、インターネットが普及している今日でもホームページを持っていないダンス教室も結構います。経営者が年配だったり、地方のダンス教室の場合、ホームページが無いので、インターネット上で探すのが難しい時もあります。根気強く探しましょう。
多くの場合、社交ダンス教室は日曜日に休みの場合が多いです。これは、社交ダンスの競技会(大会)が日曜日に開催されることが多いところからきています。生徒さんが競技会に出たり、先生が競技会に出たりするために、日曜日にレッスンをするのが非効率的であるからです。
さて、社交ダンス教室でダンスを踊る場合、踊るというよりも習うという目的の方が近いでしょう。社交ダンスの上達をサポートしてくれるところだと思った方がよいと思います。ダンス教室で教わるレッスンには様々なタイプがあります。どのパターンのレッスンを受けても、基本的には男女問わず一人でレッスンを受けることが出来ます。つまり組む相手がいなくてもレッスンをして頂けるということです。なかにはカップル(ダンスパートナーがいる人)でないとレッスンをしてくれない先生もいますが、非常にまれなケースと言えるでしょう。
社交ダンス教室で一番メジャーなレッスンパターンが個人レッスン(プライベートレッスン)です。生徒1人に対し、先生1人のマンツーマン形式でレッスンをします。金額は教室や担当の先生によって異なると思いますが、基本的には結構高いと思います。しかし、マンツーマンで教えていただけるので、他のレッスンと比べると上達はかなり早いです。だてに高いわけではないんですね。マンツーマンだと、その人個人の弱点だったり長所だったりを的確に指摘してもらえるので、あっと言う間に上手に踊れるようになるでしょう。多くの場合、予約制です。担当の先生と時間を調節して、予定を合わせてレッスンを受けましょう。レッスン料は一回ごとに支払うことが多いでしょう。
個人レッスンほど高い金額を払えない、もしくは1対1では恥ずかしい、、、という人には団体レッスン(グループレッスン)がオススメです。先生1人に対して生徒複数人でレッスンをするのが団体レッスンの特徴です。金額はお手頃ですし、社交ダンスをきちんと理解している先生が教えてくれる場合が多いので、正しい知識が学べると思います。ただし、団体レッスンならではの弱点もあります。まず、時間が指定されています。毎週決まった時間に開催されるのが一般的なので、その時間に都合が合わなければ、レッスンしてもらいたくても参加できないのです。そして、複数人同時にレッスンしているので、一人ひとりに必要な情報を十分に得られない場合が多いです。弱点であったり、長所であったり、改善策などは、人それぞれ違うものです。しかし、複数人に対応しなければならないので、一人ひとりへのアドバイスはなかなか難しいのです。そのかわり、誰にでも共通するアドバイスをいただける場合が多いでしょう。また、複数人同時にレッスンをしているため、レベルの個人差が生じます。レッスン内容が余裕であれば物足りなく感じるでしょうし、レッスン内容が難しければ置いてきぼりになったり、プレッシャーを感じることもあるかもしれません。周りの人の視線が気になることがあるかもしれません。そういったことを考慮してグループレッスンを受けましょう。友達が出来るのもグループレッスンの長所ですね。レッスン後にカフェに行ってみんなで盛り上がるというのもダンスの楽しみの一つになるかもしれません。レッスン料は一回ごとに支払うケースと、月謝として支払うケースが多いようです。
個人レッスンと団体レッスンの中間的な存在として、少人数グループレッスンというものがあるダンス教室もあります。金額や規定人数は教室ごとに異なりますが、団体レッスンほど人数が多く無く、個人レッスンほど金額が高くないのがポイントです。友人同士誘い合って、レッスンを予約するのが一般的なようです。気心の知れた友人、もしくは友人候補と楽しくダンスを習いましょう。少人数グループレッスンは実施していないダンス教室が多々あるので、実施しているかどうか確認してみましょう。
サークルで踊ろう
社交ダンスを始めたいけれど、極力お金をかけたくない。。。そんなあなたにおすすめなのが社交ダンスサークルです。サークルとは、社交ダンス好きの人が集まってみんなで練習したり踊ったり講師のレッスンを受けたりする集まりです。社交ダンス教室に通うよりは比較的安いのがポイントです。
サークルにはいろいろなタイプがあります。ひたすらみんなで踊りまくるダンスタイムタイプ。それぞれカップルを組んで個別に練習をする練習会タイプ。サークルの先輩や代表がレッスンをしてくれるアマチュアレッスンタイプ。プロの先生を呼んでレッスンをしてもらうプロレッスンタイプ。自分に合ったタイプのサークルを探しましょう。
社交ダンスは年配の方々に好まれる習慣があります。それは前述したとおり、ほとんどの社交ダンス教室が日曜日にお休みだったり、平日社会人の方々が働いている時間にしか営業していなかったりするからでしょう。退職後、時間やお金に余裕のある方の趣味として普及しています。大抵のサークルは、そんな年配の方々や主婦層が多いようです。しかし近年、社交ダンス好きの若者を対象としたヤングサークルと言うのが広まっています。部活のノリでみんな参加しているようです。お金の無い若手社会人層に人気です。仲間も出来て、趣味も持てる。非常に魅力的なサークルですね。サークル主催のダンス競技会も開催されています。もちろんパートナー(相手)がいなくても参加出来ます。
ダンスパブで踊ろう
ダンスパブって聞いたことありますか?喫茶店やスナックなどにダンスフロアが併設されているお店です。食事やお酒を楽しみながら気軽にダンスを楽しめる場所です。
こういったお店には、リボンちゃん(もしくはバラさん)と言われるダンスアテンダントがいる場合があります。ダンスアテンダントとはダンスパートナーのことです。リボンちゃんは主に男性です。他の男性客の方と区別するために、胸や腕にリボンやバラを付けているため、このように呼ばれています。女性のお客様が多いため、女性のお客さまが一人で来た時も楽しめるようにと用意されています。基本的には順番で回ってきてお相手してくれます。順番に回ってきてはくれますが、物足りない時には指名することが出来る場合があります。この場合、指名料が発生することがあります。キャバクラやホストクラブと同じようなイメージでしょう。
ダンスパブには大抵更衣室が用意されています。ご自身でシューズや衣装を持ってきて着替えることになります。着替えずにシューズだけ履いて踊る方も中にはいらっしゃるようです。
女性同士で踊ることもあるようです。しかし、男性同士で踊るのはマナー違反とされています。
曲は様々な曲が順番にかかります。様々な種目を踊れるようにしておくと、数種目しか踊れないよりは十分に楽しむことが出来るでしょう。
スポーツクラブで踊ろう
スポーツクラブによっては、社交ダンスのカリキュラムがある場合があります。有料のクラスもあれば無料のクラスもあります。スポーツクラブで踊ったのをきっかけに、社交ダンスの楽しさに触れたという方をたくさん見てきました。
スポーツクラブのカリキュラムの一つなので、スポーツクラブの会員であることが大前提です。金額は各スポーツクラブに準じます。
服装は基本的には自由なところが多いでしょう。シューズに関しては、ダンスシューズを指定しているところと、ダンスシューズを禁止しているところ、どちらでも良いとしているところがあります。各スポーツクラブの方針に従ってください。
近年、ビッグダンス(BIG DANCE)と呼ばれる一人で踊る社交ダンスが注目を集めています。このビッグダンスとは社交ダンスとエクササイズを融合したものです。ビッグダンスのBIGは、Ballroom=社交ダンス、I(Y)=and、Gym=スポーツジム、を意味している造語です。社交ダンスをベースに、一人でも動けるように工夫されています。純粋な社交ダンスとは少しニュアンスが違いますが、社交ダンスを始めるきっかけとしてはいいですね。もしくはしっかりと運動をしたいという人にオススメです。
大学で踊ろう
大学の部活動やサークルでも社交ダンスをしている学校があります。東大、慶応、早稲田はもちろん、明治、法政、立教、日大、東洋、、、数え切れないほどの大学で社交ダンスは踊られています。北は北海道、南は九州まで、全国各地の大学が社交ダンス連盟に加盟しているのです。
私も大学の部活動で社交ダンスを始めました。私は自ら率先して入部しましたが、お酒や美人の先輩につられて、騙されて入部してしまった人をたくさん見ました。というより、殆ど騙されて入部してしまったのでは?大学生が自ら社交ダンスをしたいと思う人はあまりいないのかもしれませんね。
大学の部活での社交ダンスの目的は、競技で勝つことにあります。学生同士でカップルを組み、他の大学に負けないように競技会で勝つというのが基本的な発想です。基本的には社交ダンス経験者は入部出来ませんでした。みんなスタートラインを同じに保つという考え方があるからだそうです。つまり、みんな最初は全く踊ったことが無い状態からスタートします。なので、誰しもが思うのです。「始めた時期は同じなんだ。他の奴には負けたくない!」こう言った精神でみな精進していくわけです。
大学同士で競うため、同じ大学内でカップルを組んで競技会に出場するわけですが、ここで問題になるのが、カップルを組めるのか?ということです。全員が全員組めれば良いですが、必ずしも男女比が同じになるとは限りません。つまり、組めない可能性も多々あるのです。仮に組めたとしても、大学内で出場枠が限られています。大学同士の争いではありますが、大学内での熾烈な争いも同時に発生するわけです。
また、競技ダンスはスタンダード部門とラテンアメリカン部門に分かれています。学生のうちは、この2部門のうち、どちらかを選択しなければならないというルールがあります。それは、たった4年間でダンスを全て行うのは難しいからだそうです。一般的な考え方からすると、両方とも練習すればいいじゃないかと思いますが、4年間という限られた競技生活の中ではそれが精一杯だということなのでしょう。ちなみに、スタンダード部門ではべニーズワルツ、ラテンアメリカン部門ではジャイブは、競技種目に含まれていません。スタンダード種目はワルツ、タンゴ、スローフォックストロット、クイックステップの4種目で、ラテンアメリカン部門は、チャチャチャ、サンバ、ルンバ、パソドブレの4種目です。
こうして気づかないうちに4年間でダンスが競い合いながら上達していくわけです。仲間もたくさんできて、充実した学生生活になること間違いなしです。
学校で踊ろう
近年、社交ダンスを学校の教育課程に盛り込もうという動きが活発になっています。具体的には、体育の授業で、武道かダンスを選択することを必須とするということらしいのです。小さいころから社交ダンスに触れるのは非常に良いことだと思います。若い子の方が心も体も柔軟で、すんなり上達してくれることでしょう。そうすれば日本の社交ダンスレベルの底上げが期待できます。
しかし、男女で組んで踊るのが社交ダンスです。小中学生がすんなり異性の手を握れるのかは疑問ですが。
いずれにせよ、スポーツや文化として小中学生に認知されることを祈ります。
授業の一環で若いうちから社交ダンスが出来るなんて、大人になってから興味が出てきた人にとっては美味しすぎる話ですよね。
ダンスパーティーで踊ろう
時期限定のイベントですが、ダンスパーティーというものが各地で開催されています。社交ダンスをやっている友人がいる方は、ダンスパーティーに誘われることがあるかもしれません。ダンスパーティーはダンス教室主催であったり、サークル主催であったりします。こういったイベントにはダンスタイムという時間があります。ときどきダンスタイムの無いパーティーもあるようですが。。。このダンスタイムは、流れた曲に合わせて知り合い、もしくは全く知らない人同士でも組んで踊ることになります。多少踊ったことがあれば全く問題ありませんが、全く踊ったことが無くても、臆することなく踊ってもらうと良いでしょう。きっと優しく教えてくれることでしょう。失敗しても間違えてもいいのです。最初なのですから仕方ありません。気にせずその場の雰囲気を楽しみましょう。
ダンスパーティーには先ほど説明したリボンちゃんがいることがあります。時にはプロの先生がリボンちゃんをしてくれることもあります。ダンスパーティーには男性のお客様も女性のお客様もたくさんいます。知らない人でも良いと思います。一緒に踊りましょうと声をかけましょう。きっと楽しい時間になりますよ。
踊る相手がおらず、壁際にそっと立っている女性を「壁の花」と言います。壁の花にならずに、積極的にフロアに出て踊りましょう。ちなみに男性の場合は「壁のシミ」と言います。シミにはなりたくないですね。
結局どこで踊るのがオススメ?
このように、社交ダンスを踊る場所は意外とたくさんあります。では、どこで踊るのが一番オススメなのでしょうか?
全く社交ダンスをしたことが無いという方には、ぜひ社交ダンス教室で個人レッスンを受けることを強くオススメします。社交ダンスを全くやったことのない未経験者は、技術もステップも意外と簡単にすんなりと憶えてしまうものなのです。そしていちど憶えたことを修正するというのは非常に難しいことなのです。「三つ子の魂百まで」と言うやつです。
私は、社交ダンスのプロインストラクターです。プロインストラクターとして一番厄介な生徒さんは。初心者のうちに悪い癖を付けてしまって、そのクセを修正するところから入らなければならないという場合です。大抵の場合、初心者のうちにサークルからスタートした人の大半はこの症状です。ただ安いからという理由でサークルに通い、いい加減な技術や考え方を身に付けてしまっているからです。「安物買いの銭失い」ですね。
最初にしっかりとした基礎をきちんと身につけましょう。そうすればその後、苦労せずにすんなりと上達できるはずです。上達すれば自然と楽しさが広がっていくわけです。結局「急がばまわれ」ということでしょう。
そうすればダンスパーティーに行っても、サークルに参加しても、ダンスパブに遊びに行っても楽しいわけです。
社交ダンス教室の個人レッスンは無駄に高いわけではないんです。それ相応の価値がきちんとあることを保証します。あり得ないクセを付ける前に、最初のうちにしっかりと上達出来る土台を作りましょう。