「ダンス スタンダード入門|初心者でも楽しめる基本ステップと魅力」

「スタンダードダンス」と聞くと、少し敷居が高いイメージがあるかもしれません。
でも実は、初心者でも楽しめる魅力がたくさん詰まっています。
ワルツやタンゴなどの優雅なステップを学ぶことで、健康にも良い影響があり、姿勢が美しくなるのも嬉しいポイントです。

また、ダンスを通じて新しい出会いがあったり、コミュニケーション力がアップしたりと、社交的な面でも多くのメリットがあります。
「興味はあるけど、何から始めればいいかわからない…」という方も大丈夫。
この記事では、スタンダードダンスの基本や魅力、初心者向けの始め方をわかりやすく紹介します。

さっそく、スタンダードダンスの世界に足を踏み入れてみましょう!

目次

ダンス スタンダードとは

スタンダードダンスの定義

スタンダードダンスとは、社交ダンスの中でも特に格式があり、優雅な動きが特徴のダンスジャンルです。
ワルツやタンゴ、クイックステップなどが含まれ、ペアで踊ることが基本となります。

このダンスの大きな特徴は、常に二人が組んだ状態で踊ることです。
リード(主に男性)とフォロー(主に女性)がしっかりとフレームを作り、息を合わせてステップを踏んでいきます。
そのため、音楽に合わせてただ足を動かすのではなく、パートナーとのコミュニケーションがとても大切になります。

また、スタンダードダンスでは美しい姿勢も重要なポイントです。
背筋を伸ばし、しなやかに動くことで、より優雅で洗練された印象になります。
特にワルツなどは、大きな円を描くような滑らかな動きが特徴で、初心者でもステップを覚えれば気持ちよく踊れるのが魅力です。

スタンダードダンスの歴史

スタンダードダンスの魅力をより深く知るために、その歴史を少し振り返ってみましょう。
このダンスのルーツは、ヨーロッパの宮廷文化にあります。
特に19世紀のウィーンで発展したワルツが、スタンダードダンスの原型となりました。
当時のワルツは、それまでのフォークダンスとは違い、男女が向かい合って組みながら踊るスタイルだったため、社交の場で一気に人気を集めました。

その後、イギリスでダンスの技術がより洗練され、競技ダンスとしてのスタンダードダンスが確立されていきます。
20世紀に入ると、タンゴやクイックステップなど、より多彩なダンスが加わり、現在の「スタンダードダンス」としての形が整いました。
特に、イギリスで開催される「ブラックプール・ダンスフェスティバル」は、社交ダンス界において最も権威のある大会のひとつで、世界中のダンサーが技術を競い合っています。

このように、長い歴史を持つスタンダードダンスですが、実際に踊る際にはどのようなステップを覚えればいいのでしょうか。

スタンダードダンスの基本ステップ

ワルツの基本ステップ

スタンダードダンスの中でも特に有名なのが「ワルツ」です。
優雅で流れるような動きが特徴で、初心者でも楽しみやすいダンスのひとつです。
ワルツの基本となるのは「ボックスステップ」と呼ばれるステップで、名前の通り足で四角形(ボックス)を描くように動きます。

リーダー(通常は男性)の場合、まず左足を前に出し、右足を横に広げ、左足をそっと右足に寄せます。
次に、右足を後ろに下げ、左足を横に広げ、右足を寄せます。
この動きを1、2、3のリズムで繰り返すことで、ワルツの基本的なステップが完成します。

フォロワー(通常は女性)は、リーダーの動きに合わせて、最初に右足を後ろへ下げるところから始まります。
このボックスステップを滑らかに踏めるようになると、ワルツの優雅な雰囲気が自然と出てきます。
また、ワルツでは「ライズ&フォール」と呼ばれる上下の動きも重要です。
ステップを踏むたびに少しずつ背伸びをするように高さを変えることで、流れるような動きになります。

基本のボックスステップをマスターしたら、次はもう少し動きのあるタンゴの基本ステップに挑戦してみましょう。

タンゴの基本ステップ

ワルツが流れるような優雅なダンスだったのに対し、タンゴはシャープで力強い動きが特徴です。
音楽のリズムも「ズン・チャ・チャ」とメリハリがあり、情熱的な雰囲気が魅力です。
スタンダードダンスの中では、比較的直線的な動きが多く、初心者でも取り組みやすいステップが揃っています。

タンゴの基本ステップとして最初に覚えたいのが「ウォーク」と「プログレッシブ・リンク」です。
リーダー(通常は男性)は、まず左足を前に出し、次に右足を前に進めます。
ここで注意したいのが、ワルツのように上下の動きをつけるのではなく、低い姿勢を保ちながら前進することです。
タンゴでは膝を軽く曲げ、床を滑るように歩くのがポイントになります。

フォロワー(通常は女性)は、リーダーの動きに合わせて、まず右足を後ろに引き、次に左足を後ろへ下げます。
その後、二人は体を少し左へ回しながら、横に開くステップ(プログレッシブ・リンク)へと移ります。
この動きによって、タンゴらしい切れのある方向転換が生まれます。

タンゴは、ワルツとは違い、スムーズに進むよりも「ストップ&ゴー」のリズムが強調されるダンスです。
基本のステップを覚えたら、次はさらに軽快な動きが特徴のクイックステップに挑戦してみましょう。

クイックステップの基本ステップ

タンゴがシャープで力強い動きだったのに対し、クイックステップは軽快で弾むようなステップが特徴です。
音楽のテンポも速く、「スロー・スロー・クイック・クイック」というリズムで進んでいきます。
その名の通り、すばやくステップを踏むのがポイントですが、基本の動きを覚えれば楽しく踊れるようになります。

クイックステップの基本ステップとして、まず覚えたいのが「クォーターターン」と「ロックステップ」です。
リーダー(通常は男性)は、まず右足を前に出し、左足を横に移動させます。
次に右足を後ろへ下げ、左足を右足の横に寄せて、軽く回転しながら進みます。
このクォーターターン(1/4回転)を取り入れることで、スムーズに方向転換しながら動くことができます。

フォロワー(通常は女性)は、リーダーの動きに合わせ、最初に左足を後ろに引きます。
次に右足を横へ動かし、左足を前に出しながらリーダーに合わせて回転します。
ここで重要なのは、リズムに遅れないように軽やかにステップを踏むことです。

クイックステップは、他のスタンダードダンスよりもスピード感があるため、足の運びが少し難しく感じるかもしれません。
しかし、コツをつかめばまるでフロアを駆け抜けるような爽快なダンスが楽しめます。
基本のステップを身につけたら、次はスタンダードダンスの魅力について、さらに深掘りしていきましょう。

スタンダードダンスの魅力

健康への効果

スタンダードダンスの基本ステップを覚えたら、次に気になるのはその魅力ですよね。
実は、スタンダードダンスにはさまざまな健康効果があるんです。
運動としての側面だけでなく、心にも良い影響を与えてくれるのが、ダンスの大きな魅力のひとつです。

まず、スタンダードダンスは全身をバランスよく使う有酸素運動です。
ワルツやクイックステップでは、足を大きく動かしながら軽やかにステップを踏むので、自然と下半身の筋力が鍛えられます。
また、背筋を伸ばして踊ることで、姿勢が良くなり、体幹がしっかりと安定するのもメリットです。

さらに、ダンスは脳の活性化にも効果的です。
音楽を聴きながらリズムに合わせて動き、パートナーと息を合わせることで、脳が自然と刺激を受けます。
実際に、ダンスは認知機能の向上やストレス軽減にもつながると言われており、楽しく踊ることで心身ともにリフレッシュできるんです。

そして、ダンスを続けることで持久力や柔軟性も向上し、日常生活での動きがスムーズになるのも嬉しいポイント。
健康効果がたくさんあるスタンダードダンスですが、実は身体だけでなく、人とのつながりを深めることにも大きな魅力があります。

社交性の向上

スタンダードダンスには健康面でのメリットがたくさんありますが、実はそれだけではありません。
もうひとつの大きな魅力が、「社交性の向上」です。
ダンスは一人で楽しむものではなく、パートナーと息を合わせることで生まれる美しい動きが特徴です。

特にスタンダードダンスでは、リーダーとフォロワーが協力しながらステップを踏んでいくので、自然と相手の動きを感じ取り、コミュニケーションを取る力が身につきます。
相手のリードに反応したり、自分の動きでパートナーを導いたりすることで、言葉を使わなくても気持ちが通じ合う感覚を味わえるのが、このダンスの醍醐味です。

また、ダンス教室に通うことで、同じ趣味を持つ仲間と出会うことができます。
レッスンやイベントを通じて、自然と会話が生まれ、新しい交友関係が広がっていくのも嬉しいポイントです。
初めは緊張するかもしれませんが、一緒に踊るうちに自然と打ち解け、気がつけばダンス仲間との時間が楽しみになっているはずです。

こうした人とのつながりは、ダンスを長く続けるモチベーションにもなります。
そして、ダンスを通じて得られるもうひとつの大きな魅力が、「美しい姿勢と所作」です。

美しい姿勢と所作

スタンダードダンスの魅力は、健康や社交性の向上だけではありません。
もうひとつ大きなメリットとして、「美しい姿勢と所作」が自然と身につくことが挙げられます。
ダンスをしている人はどこか品があって、立ち姿や歩き方がきれいに見えることが多いですよね。

スタンダードダンスでは、常に背筋を伸ばし、体の軸を意識して踊ります。
これを繰り返していると、普段の生活の中でも自然と姿勢が良くなり、立ち姿が美しくなっていきます。
猫背になりがちな人も、ダンスを続けることで姿勢の改善が期待できるのは嬉しいポイントです。

また、ステップを踏むときの足運びや、腕の動きにも気を配るため、全体的にエレガントな所作が身につきます。
特に、ゆったりとしたワルツや、キレのあるタンゴでは、動きの一つひとつを丁寧にコントロールすることが大切です。
その結果、普段の動作も自然と洗練されていくのが、スタンダードダンスの魅力のひとつです。

このように、スタンダードダンスは踊っているときだけでなく、日常生活にも良い影響を与えてくれます。
では、これからダンスを始めるにあたって、どのような準備が必要なのかを見ていきましょう。

初心者が始めるためのポイント

教室の選び方

スタンダードダンスの魅力を知ったら、「実際にやってみたい!」と思う人も多いはずです。
でも、いざ始めようとすると「どの教室を選べばいいの?」と迷ってしまいますよね。
初心者が安心してスタートできる教室を選ぶには、いくつかのポイントを押さえておくと良いですよ。

まず、大切なのは「初心者向けのクラスがあるかどうか」です。
教室によっては競技向けのレッスンがメインになっていることもあります。
初心者向けのクラスがある教室なら、基礎からゆっくり学べるので、無理なく続けやすくなります。

次に、「体験レッスンがあるか」を確認しましょう。
実際にレッスンを受けてみると、教室の雰囲気や先生の教え方が自分に合っているかが分かります。
また、ダンス仲間となる生徒さんたちの雰囲気もチェックしておくと安心です。

そして、もう一つ重要なのが「通いやすさ」です。
教室が自宅や職場から遠いと、最初はやる気があってもだんだん足が遠のいてしまうこともあります。
できるだけ無理なく通える場所を選ぶと、長く続けやすくなります。

こうしたポイントを押さえながら、自分にぴったりの教室を見つけましょう。
では、次に「初心者がそろえておくと便利なアイテム」についてご紹介します。

必要なアイテム

自分に合った教室を見つけたら、次に気になるのは「何を準備すればいいの?」ということですよね。
ダンスを始めるにあたって、最初から高価なアイテムをそろえる必要はありませんが、最低限あると便利なものを紹介します。

まず、一番大切なのは「ダンスシューズ」です。
スタンダードダンスでは、床をスムーズに滑るような動きが多いため、普段のスニーカーでは踊りにくくなります。
ダンス専用のシューズは、靴底が適度に滑るようになっており、動きやすさが格段に違います。
初心者用のものも手頃な価格で販売されているので、まずはシンプルな一足を用意するといいでしょう。

次に、「動きやすい服装」も大切です。
スタンダードダンスでは、腕を大きく動かしたり、足を滑らせるように動かしたりするので、体を締めつけすぎない服がベスト。
最初はストレッチの効いたパンツやスカートでも問題ありませんが、続けていくうちに、ダンス用のウェアをそろえるのもおすすめです。

また、「タオル」と「飲み物」も忘れずに持っていきましょう。
ダンスは思った以上に運動量があるので、こまめな水分補給が大切です。
しっかり準備を整えたら、いよいよレッスン開始!
次は「初心者がスムーズに上達するための練習方法と心構え」についてお話しします。

練習方法と心構え

必要なアイテムをそろえたら、いよいよダンスの練習スタートです。
でも、「初心者のうちはなかなかうまく踊れない…」と感じることもありますよね。
ここでは、スムーズに上達するための練習方法と心構えについてお話しします。

まず、基本のステップを何度も繰り返し練習することが大切です。
スタンダードダンスは、美しい姿勢と滑らかな動きが求められるため、最初はシンプルなステップでもしっかり体に馴染ませることが重要。
自宅でも足の運びだけを確認したり、鏡の前で姿勢をチェックしたりするだけで、レッスンの効果がぐんと上がります。

次に、音楽に慣れることもポイントです。
ワルツやタンゴなど、それぞれのダンスに合ったリズムを自然に感じられるようになると、動きに余裕が生まれます。
好きなダンス音楽を日常的に聴くことで、リズム感を養うのもおすすめです。

そして、一番大切なのは「楽しむこと」。
最初は思うように踊れなくても、焦らずに少しずつステップアップしていけば大丈夫です。
ダンスを続けていくうちに、自然と体が動きを覚え、気持ちよく踊れる瞬間がやってきます。

こうして少しずつ練習を積み重ねていけば、気がつけばダンスが生活の一部になっているかもしれません。

まとめ

スタンダードダンスは、ただの運動ではなく、心と体を豊かにしてくれる素敵な趣味です。
美しい姿勢やリズム感が身につくだけでなく、仲間との交流を楽しめるのも魅力のひとつ。
「最初は難しそう」と感じるかもしれませんが、基本ステップを少しずつ覚えていけば、きっと踊る楽しさを実感できるはずです。

ダンスを始めるためには、教室選びや必要なアイテムの準備、練習のコツを押さえることが大切です。
無理なく続けることで、気がつけば自然とステップが踏めるようになります。

さあ、一歩踏み出して、新しい世界を体験してみませんか?

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この記事を書いた人

フロアに立っているだけで美しく人目を引く身体の作り方が得意。筋肉や骨の位置を意識した丁寧なレッスンをしていきます。

<< 主な戦績 >>
2008年、山田圭一郎とパートナーシップを組みプロデビュー。
デビュー戦で優勝。即日C級昇級。
2009年、2階級特進し最高位のA級昇級。
2010年、台湾国際大会にて、ライジングスター戦優勝、オープン戦準優勝。
2017年、統一全日本10ダンス選手権大会にて10種目総合準優勝、日本代表権獲得。
2018年、WDCプロフェッショナル10ダンス世界選手権大会にて10種目総合で世界ランク14位。
2022年、現役引退。後進の育成に努める。

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